topics

トピックス

2025.12.05

Skydio X10 「Spotlight」

概要

NTTドコモビジネスでは、Skydio社よりリリースされるアップデート内容や新たなソリューションの価値創造に向け、性能検証を実施しております。

今回は夜間や暗所などの環境での撮影を支援とする「Spotlight」についてご紹介いたします。

「Spotlight」はSkydio X10の機体側面に装着する照明アクセサリーです。夜間の捜索救助や、暗所でのインフラ点検において、「対象物をはっきりと照らし出す」ために使用されます。

仕様と特徴

1.主な仕様

 

●明るさ:
最大 5,500 ルーメン という輝度を誇ります。これは一般的な懐中電灯の明るさ200~400ルーメンと比較すると高い輝度であり、暗闇の中でも対象の視認を補助します。

●視認距離:
夜間でも約 152メートル(500フィート) 先の人物識別を補助できる能力があります。

●照射角の調整:
スポットライトの角度は手動で調整します(飛行中にカメラと連動して上下に動くわけではない点に注意が必要です)。推奨角度は45〜60度とされています。

●防塵・防水性能:
機体本体と同様に IP55 等級に準拠しており、雨天や埃っぽい環境でも使用可能です。

●取り付け:
機体の左右どちらかのポートに装着可能です(両方同時に装着することはできません)。

 

2. 注意点

 

非常に高出力であるため、点灯中は高温になります。着陸直後に触れると火傷の恐れがあるほか、近距離で直視すると目を傷める危険があるため、取り扱いには安全配慮が必要です。

またアタッチメント使用時は使用していない時と比べてバッテリーの減りが早いことに注意が必要です。

福島県昭和村様との遭難者捜索実証での活用事例

山間部などの遭難発生時、捜索依頼が夕暮れ間際に行われた場合、人による捜索は二次遭難のリスクが高まるため、夜間には捜索が行えないことも多々あります。これらの課題に対し、ドローンを活用することで、より安全で迅速な捜索活動の効果検証を夜間および昼間に福島県昭和村様と実施しました。

(ニュースリリース)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2024/1204.html

 

その中で、スポットライトを用いることで上空90m付近からでも地上の人物を確認することができ、サーマルカメラでとらえられない対象物も認識できることを確認しました。

(該当の映像 1分22秒ごろの動画をご確認ください)
https://www.youtube.com/watch?v=OFhvEp0vQ-w

性能検証

docomo skyチームでSpotlightの検証として、高度と照射範囲について測定いたしました。

検証時のSpotlightの角度は約85°で設定し、高度ごとに照射範囲を計測しました。

 

参考までに高度30メートルと120メートルの照射結果は以下の数値になります。

 

高度約30m:直径約17m

高度約120m:直径約65m

 

スポットライトの光の広がり方は、以下の2つの角度で定義されています。

FWHM (Full Width at Half Maximum):照射の真ん中の明るさを 100% としたとき、明るさが 50% になる角度の幅(仕様の値:13°)。

FWTM (Full Width at Tenth Maximum):照射の真ん中の明るさを 100% としたとき、明るさが10% になる角度の幅(仕様の値:30°)。

 

実測値はこの仕様のFWHMとFWTHの数値と近しい数値となりました。

例えば、高度30mでは理論値(FWTM)が直径16.08mに対し、実測値は約17mと近似しています。この結果から照射範囲はスペックの角度から計算で予測が可能であることが分かりました。

距離が遠くなる(高度が上がる)ほど、同じ箇所を照射した場合光量が暗くなる点には注意が必要です。(例えば、ある点を高度30mと高度120mから照射した場合、高度120mの方が分散するため照射される光量は少なくなります)

NightSenseとの違い

Skydio X10にはNightSenseという照明アタッチメントがありますが、これとスポットライトは役割が明確に異なります。

 

  • NightSense(自律飛行用): ドローンが「自律的に障害物を避けて飛ぶ」ためのアタッチメントです。可視光や赤外線照明(IR)を使い、暗闇でも自律飛行を可能にします。

 

  • Spotlight(オペレーター確認用): 人間(操縦者)が「カメラ映像を通して対象物を見る」ための明かりです。NightSenseで安全に飛行しながら、Spotlightで捜索対象や点検箇所を照らす、というように組み合わせて使用します。

 

今後弊社では現場でお客さまに安心してご利用いただけるようSkydio専門の性能検証チームで引き続き評価を重ねてまいります。

 

Skydio | ドローンビジネス docomo sky

ドコモグループは米国ドローンメーカー Skydio,Inc.に出資しており、資本、事業の両面で2020年より提携しております。多様な現場での技術検証で得た豊富な知見をもとに、さまざまな産業におけるお客様に対して、ドローンを安心してご利用いただける環境を提供いたします。

 

*本情報は2025年12月5日時点の情報となりソフトウェアアップデートなどメーカーの都合により内容が変更となる場合があります。

contactお問い合わせ