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2025.09.22

屋内向けドローン「Skydio R10」の発表 – Skydio Ascend 2025 参加レポート#1

Skydio Ascend 2025 参加レポート#1

2025年9月17日、18日、米カリフォルニア州サンタクルーズで、ドローンメーカーSkydioのユーザーイベント「Skydio Ascend 2025」が開催されました。

ドコモグループは2020年から国内でSkydioのドローンを展開しており、今回もdocomo skyチームとして参加しました。このイベントのハイライトは、CEO Adam Bry氏が発表した新型ドローン「Skydio R10」です。

この記事では、イベントのKeynoteで明らかになったSkydio R10の詳細について、レポートします。

Skydio R10をKeynoteで発表するCEO Adam Bry

Skydioのドローンは、警察などのPublic Safety分野で幅広く活用されています。

ニューヨーク、ラスベガス、サンフランシスコといった警察機関で「Drone as a First Responder (DFR)」として採用され、事件・事故現場の状況把握に貢献しています。出張でサンフランシスコに滞在した際、街中で実際に飛行しているSkydio X10を目にし、その活用が当たり前になっていることに驚かされました。

公共安全分野でドローンの利用が広がるにつれて、新たな課題も見えてきました。それは、人が簡単に入れない家屋や建物の中の状況を把握すること。このニーズに応えるために開発されたのが、今回の新型ドローンSkydio R10です。

Skydio R10の8つの注目ポイント

①. プロペラガード付きのコンパクトな機体
サイズは263.0mm x 260.5mm x 61.5mm、重量は785gと、Skydio 2とほぼ同じサイズ感です。特筆すべきは、初代Skydio R1以来となるプロペラガードが標準装備されていること。これにより、屋内などの狭い空間でも、万が一の衝突時の影響を最小限に抑えながら安心して飛行させることができます。


②. 起動時間30秒
バッテリーを装着するとクーリングなどの目的で羽が回転、回転が終了後約30秒程度で離陸する設計です。
Skydio X10では40秒未満の起動時間でしたので約10秒近くより素早く起動する想定です。

 

 

③. 離陸方法
水平面からの離陸を想定していますが、水平面が保てない場合これまでのSkydioのドローンと同様にハンドリリースが可能となります。

 

④. 障害物回避
Skydioの強みである自律飛行機能は、R10でも健在です。前方に2つのナビゲーションカメラを搭載し、180°の障害物回避を実現します。
さらに、暗所での飛行をサポートするライト「Night Sense」も搭載されており、暗い場所でも自律飛行が可能です。障害物回避の感度も変更可能で、StandardCloseMinimalの3段階から選べます。
Minimal設定時にはコントローラ画面が黄色く覆われオペレーターへの注意喚起が出されていました。Skydio2やX10時はCloseモードから黄色く覆われておりましたので、UIへの表示の考え方が従来と異なることが見て取れます。

また、Skydio X10と同様に障害物検知した際に機体が認識している障害物をコントローラUI状に表示するAR Observerも引き続き採用されFPV運用となっている場合も周囲の状況がわかるようになっております。

⑤. 進入性能
Skydio R10ではプロペラガードが装着されているため従来困難だったエリアへもオペレーターへの心理的負担が少なく進入できるようになりました。
Keynoteでも会場下に入りこみ、複数のパイプの中を飛行するデモンストレーションが行われていました。

 

 

⑥. 1インチセンサー搭載の高画質カメラ
カメラは1インチセンサーの12.5MPで、4K/30fpsの動画撮影に対応(NightSense使用時は24fps)。ジンバルの角度は上下に180°駆動するため、天井面の確認も容易です。

⑦. LTE対応で遠隔操縦も可能
通信はWi-Fiに加えて、上空LTEにも対応予定です。これにより、遠隔地からの操縦を可能にする「Skydio Remote Flight Deck」を活用できます。Keynoteでは、手元のコントローラーから遠隔で操縦権を奪い、飛行を継続するデモも行われました。このサイズのドローンでセルラー通信に対応していることは、遠隔監視や災害対応などでの新たな活用可能性を期待させました。


引用 : Skydio Ascend 2025 keynote: R10, F10, Shadow and multi-drone ops revealed.

⑧.パーチモード
Skydio R10から新しい機能としてパーチモードが実装されています。これは機体が水平な場所に置かれた際に内蔵されたスピーカーとマイクを通じてやり取りができるモードです。これは日本においても災害対策時などに有効だと感じました。


引用 : Skydio Ascend 2025 keynote: R10, F10, Shadow and multi-drone ops revealed.

以上がSkydio R10の機能概要となります。

Skydio R10は、これまでドローンでは難しかった場所での飛行を可能にし、活用領域を大きく広げるドローンです。実際に飛行を体験してみると、位置制御は非常に安定しており、操作に慣れるまでの時間を最小限に抑えられると感じました。

日本での発売時期は未定ですが、今後、様々な分野での活躍が期待されます。Skydio R10のさらなる詳細情報やデモ動画にご興味のあるお客様は別途取りまとめておりますのでぜひお問い合わせください。

※本記事の情報は2025年9月18日時点のもので、今後変更となる可能性があります。

参考 : スペック概要


参照

Skydio R10 (Skydio社ウェブサイト)

Skydio Ascend 2025 keynote: R10, F10, Shadow and multi-drone ops revealed.

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